矯正治療
大人の治療法について
大人になってからでも矯正治療は可能です
あごの骨の成長コントロールを含めた矯正はお子様でなくてはできませんが、成人後であっても歯を動かす矯正は可能です。噛み合わせが悪いと、食べ物をうまく咀嚼できなかったりブラッシングしにくいことから虫歯や歯周病を誘発しやすく、天然歯のトラブルリスクを高めてしまいます。成人矯正はそれらを改善し、外面・内面両方の問題を解決する一助となるかもしれません。
成人の場合、出っ歯、受け口、八重歯の解消といった審美・機能面の改善を目的に、ご自分で矯正治療をご決断されます。自分の意志で治療に取り組むので、ブラッシングや装置のお手入れといった面倒なケアも含めてしっかりと自己管理し、最後まで効率的に続けられる方が多くいらっしゃいます。
一方で、お子様に比べて歯の移動に時間がかかることが多く、歯周病治療やかぶせものの管理などを先に行わなければ、矯正治療に入ることができないというのも事実です。矯正治療前に潜在的に隠された問題を見極めることが大切です。基礎治療を重視し、まずは問題点をしっかり洗い出してから矯正をスタートしましょう。
当院では、成人矯正のご相談も受け付けております。
- マルチブラケット装置
- 矯正用ワイヤー
- マウスピース型矯正装置
装置装着直後は唇が装置に触れる違和感や舌がおさまるスペースが阻害されている違和感、2〜3日ほど痛みを感じることがありますが、概ね1週間ほどで慣れてきます。食事面では固いものは避け小さくして食べたり、煮物などの和食系の柔らかい食べものが望まれます。お困りのことがあればいつでもご相談ください。
月1回、2年〜3年
歯を動かす治療期間(動的治療)の通院目安は月1回程度となります。
動的治療の目安は2年から3年です。また、歯を動かした後に、歯が元に戻らないようにする保定期間も、動的治療と同程度が目安となります。個々の状態に応じて保定装置の設計や使用期間は異なってきます。
あごが小さくて歯が正しく並びきらない場合や出ている前歯をきれいにひっこめる場合は、抜歯を行うことになります。その際は、歯を動かす距離が長くなるため治療期間も長くなります。
また、大人の場合は虫歯や歯周病がある方も少なくありません。その場合は、先に虫歯や歯周病の治療を済ませてから矯正治療を開始することになりますので、その分治療期間が長くなることがあります。治療後は3~4ヶ月ごとの定期検診で来院。経過を観察していきます。
- 基本検査費用
- 15,000円
- 精密検査費用
- 45,000円
- 顎関節検査費用
- 22,000円(必要に応じて)
- CT検査費用
- 15.000円(必要に応じて)
- ご契約費用
- 約750,000〜1,100,000円
- 調整観察費用
- 5,500円/月
※費用は全て税込
ご契約費用は状態と治療内容によって差が生じてきます(詳細は基本検査を通じてご説明致します)調整観察費用は月の来院回数にかかわらず費用は一律です。装置使用に関してお困りなことがございましたらいつでもご相談ください。
治療期間は治療を受けられるご本人様の協力度合いによっても大きく左右されます。(歯の移動を妨げるお口の習慣や癖改善のご協力、矯正治療を補助する顎間ゴムの使用頻度、ブラッシング状況など様々です。)
ホワイトニングやセラミック修復といった審美的な治療は矯正治療終了後ご希望に合わせて進めていくことになります。ご不明な点はその都度ご相談ください。
矯正治療
症状と治療方法
歯のがたつき
(叢生)
歯のがたつき、叢生、乱ぐい歯とは
歯ががたがたに並んだ状態です。「乱ぐい歯」「八重歯」とも呼ばれます。
顎に対して歯が大きかったり、顎が小さく、特に横幅が狭いため歯が並ぶスペースが確保できなかったりすることなどが原因で起こります。
歯のがたつき、叢生、乱ぐい歯の治療
歯列の幅や歯の幅を調整したり、抜歯によって歯が並ぶためのスペースを確保して改善をはかります。無理な位置への歯の配列は歯を支える歯周組織に負担をかけることにつながり注意が必要です。最近では歯を並べる前に歯根とそれらを支える歯槽骨のバランスをCTにて立体的に精査し、治療リスクの判定を行うことが一般的です。
出っ歯
(上顎前出)
出っ歯、上顎前出とは
上顎の前歯、あるいは上顎全体が前方に突き出ている状態です。「出っ歯」とも呼ばれます。
上顎前突は大きく分けて、上顎が出ている「上顎前突症」と、下顎が引っ込んでいる「下顎後退症」の2種類があり、日本人の場合、ほとんどが下顎後退症であるとされています。
出っ歯、上顎前突の治療
成人の場合、ご希望に応じ、抜歯を組み込んだ矯正治療にて上顎前突と側貌プロファイル(横顔のバランス)の改善をはかります。通常、奥歯の固定源が重要となるため、近年では固定源として「歯科矯正用インプラントアンカー」の適応も多く報告されています。その他、外科的な矯正治療による改善を選択される場合もあります。
受け口
(反対咬合)
受け口、反対咬合とは
噛み合わせ時に、下顎の歯が上顎の歯よりも前に出ている状態です。「受け口」とも呼ばれます。反対咬合には、下顎の前歯の傾きが原因で起こる「歯槽性反対咬合」や、下顎全体が前方に出ている「骨格性反対咬合」などの種類があります。
反対咬合になると、前歯で噛むことが難しくなり、咀嚼による自浄作用が働きにくくなるため、お口の環境が悪いと奥歯が虫歯になりやすくなったり、サ行やタ行がはっきり発音しにくいなどの発音障害が起こったりすることがあります。同時に舌の癖を伴っていることも多く観察されます。
受け口、反対咬合の治療
歯槽性反対咬合の場合には、主に上顎前歯の前方傾斜と下顎前歯の後方傾斜などにより改善をはかります。骨格性反対咬合の場合、歯の移動だけで歯並びの改善が困難な事も多く存在し、無理な歯の移動は長期的な安定が得られないだけでなく、歯周支持組織への悪影響も懸念されます。側貌プロファイルの改善も含め希望される場合には、根本的な治療として外科的矯正治療を併用(大学病院と連携)します。
開咬
開咬とは
普通に噛んでも奥歯の数本しか噛み合わずに、上下顎の前歯の間に隙間がある状態です。
遺伝的要因や、機能的・環境要因も複雑に関与しています。子供の頃の指しゃぶり、口呼吸、舌突出癖(舌を前に出す癖)などの癖が原因で、上下顎の歯の隙間が押し広げられてしまう事がほとんどで、噛み合わせの安定が難しい歯列です。
開咬の治療
舌癖などの習癖へのトレーニングが必須です。歯列矯正では抜歯を組み込んで歯を動かすためのスペースを確保し、噛み合せの調整を行う方法や、奥歯を圧下させて垂直的に噛み合せのコントロールを行う方法があります。トレーニングを行っても安定が得られにくい場合や、矯正治療後に歯並びの後戻り(開咬の再出現)が観察されることもしばしばあります。
過蓋咬合
過蓋咬合(ディープバイト)とは
噛み合わせ時に、上顎の前歯が下顎の前歯を覆って、下顎の前歯が隠れる状態です。噛み合わせが深いために、歯茎や歯の根元を傷つけてしまうことがあります。
過蓋咬合の治療
過蓋咬合の原因や程度によっても異なりますが、前歯や奥歯の傾きや位置を改善したり、前歯を圧下するなどして垂直的なかみ合わせバランスの改善をはかります。治療後は歯ぎしりや食いしばりへの対応を長期的に継続していく事も重要と考えられます。
矯正治療
審美性の高い矯正
審美性の高い矯正装置
豊中のなかすじ矯正・小児歯科クリニックでは、マウスピース型矯正装置「インビザライン」のご利用が可能です。
各ステージ毎にステップアップしていくアライナー装置は透明ですので、付けているのがわかりにくいというメリットがあります。自分から「装着しています」と言わないかぎり、周囲の人が気付かなかったという場合も多数ございます。またプラスチックで作られていることから、金属アレルギーの心配もなく、必要に応じて取り外せるため、食事の邪魔になったりせず、簡単に洗浄できるため衛生的です。
当院では矯正治療のカウンセリングとしてさまざまな方法をご提案し、その中から現実的に望ましい治療方針をご納得いただいた上で、選択して頂きたいと考えています。その選択肢の1つとして、このマウスピース型矯正装置「インビザライン」もございます。
カウンセリングの際に詳しくご説明を致しますので、疑問点は遠慮なくご相談ください。
矯正治療
矯正治療で気をつけること
「信頼できる矯正歯科を見極めるための“受診時の目安”」(日本臨床矯正歯科医会 http://www.jpao.jp/)によると6つのポイントがあります。
信頼できる矯正歯科を見極めるための受診時の目安
1頭部X線規格写真(セファログラム)検査をしている
2精密検査を実施し、それを分析・診断した上で治療をしている
3治療計画、治療費用について詳細に説明をしている
4長い期間を要する治療中の転医、その際の治療費精算までを説明している
5常勤の矯正歯科医がいる
6専門知識がある衛生士、スタッフがいる
矯正治療
成人矯正治療に
おける治療経過例
▲治療前
- 年齢
- 25歳女性
- 治療期間
- 1年6ヶ月
- 治療費用
- 約825,000円
- 調整費用
- 5,500円/月
- 装置
- 表側からのマルチブラケット装置
※費用は全て税込
主訴:上の前歯の歯の重なりと、下の前歯が受け口ぎみに出ている。
主な症状:お口が閉じにくく、前歯でうまく噛めない。
治療方針(抜歯部位):上あごと下あごの永久歯(上下左右第一小臼歯)を合計4本抜歯して治療。
▼治療前
▼治療開始6ヶ月
▼治療開始10ヶ月
治療前、治療後の比較
歯並びはもちろん、お口元の突出感も改善し、きれいな横顔となりました。
▼治療前
▼治療後
お口元の写真<横顔>
▼治療前
▼治療後
個別リスクと副作用
上下前歯の舌側移動による、歯根吸収リスク・交叉咬合改善時の咬合干渉に伴う咀嚼機能不全及び顎関節症状の出現リスク・歯の移動に伴う神経循環障害が生じた場合の歯の変色リスク(神経の失活化リスク)・口腔習癖(舌癖)による矯正治療後経年的な後戻りリスク・下顎前歯部歯肉退縮発症リスクが主な個別リスクとして挙げられます。矯正治療には患者様やご家族皆様の矯正治療への協力が不可欠です。治療経過には個人差があることもご理解下さい。
抜歯について
大人の場合、歯が歯列に並びきれない事によって、歯を支える骨が薄くなり、歯肉ラインの変化=歯肉退縮のリスク・歯周病のリスクが増しやすいと言われています。
無理に歯を並べると歯は唇側=前方に傾斜し歯を支える歯槽骨から歯根が押し出される方向へと移動してしまいます。お口元のバランスや骨格的な特徴・過去の治療既往歯の状態に応じて慎重に吟味、選択し、将来の歯並びを考え、矯正治療計画に抜歯を組み込む事で安定した歯並びの基礎を作る選択がとられます。
抜歯となると誰しも緊張するもの。処置前は極力リラックスしてもらえるような雰囲気づくりをスタッフ一同心がけております。
麻酔の前には粘膜に表面麻酔薬(ジェル状のお薬)を塗ります。粘膜が少ししびれてきますので、その後麻酔をされる感覚は不快に感じない場合がほとんどです。近年では多くの歯科医院でお痛みに対する様々な配慮がなされていますので、昔、歯医者さんの治療であまり良いイメージをもたれてない方も安心してご相談頂ければと思います。
また、当院では、埋伏している親知らずなどの専門性の高い口腔外科処置は、信頼できる口腔外科の先生を御紹介させていただいております。少しでも治りが良いように、少しでもお体への負担が少ないように配慮していただけますので、皆さん安心して治療を受けていただいております。(ご紹介先医院での処置後の経過および術後管理は当院で行っております。)
歯の動き方
矯正治療開始当初は歯がうまく動いていくのか?抜歯スペースが閉じるのか?具体的なイメージがわきにくいものです。例えるならば、「レールの上を走るモノレール」、歯の位置をブラケットでコントロールしながらワイヤー上で滑らせ移動させていきます。実際、1ヶ月毎の調整写真を比較していくと、1ヶ月に1mm程度の割合で確実に歯が動いているのが確認できます。
歯の移動には歯を動かす固定源が必要の為、固定源として大切な歯が動かないように加強固定装置を装着したり、ワイヤー調整上の様々な工夫が必要です。治療される先生によっていろんな考え方があるため、治療中疑問に感じられるささいな事でも遠慮なく質問してみると治療への理解が深まります。
歯の移動の違和感は最初の2~3日から1週間目までが強く、その後は徐々に和らいでいく感覚があります。ワイヤー交換当初など、お痛みを感じられる場合は我慢せずに処方された痛み止めを飲むようにしましょう。
そのほか、睡眠時の姿勢なども歯を目的に応じて移動させていく上でとても大切です。歯の移動は弱く繊細な力で行っているため、睡眠時の頭の重さや、その他の外力には注意しなくてはいけない事も覚えておきましょう。
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